補助金コラム

補助金コンサルタントの選び方|チェックリスト10項目

補助金

実績・専門性の確認ポイント

補助金申請におけるコンサルタント選びは、単なる「書類作成代行」の依頼ではありません。事業の未来を左右する重要なパートナー選びです。
インターネット上で「補助金 コンサルタント」と検索すると、無数の支援事業者がヒットします。その中から自社に最適なパートナーを見つけ出すためには、表面的な宣伝文句に惑わされず、実質的な実力を測る必要があります。
まずは、最も重要な判断基準となる「実績と専門性」について、具体的にどこを見るべきか、どのような質問を投げかけるべきかを解説します。

対象補助金の採択実績数

多くの支援事業者のWebサイトには「累計採択件数〇〇件!」「採択率〇〇%!」といった華々しい数字が並んでいます。しかし、この数字を鵜呑みにするのは危険です。実績を確認する際は、より解像度を上げてチェックする必要があります。

まず確認すべきは、「申請したい補助金での実績がどれくらいあるか」です。
補助金と一口に言っても、「ものづくり補助金」「事業再構築補助金」「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」など、制度によって目的も審査基準も全く異なります。例えば、ITツールの導入支援に特化したコンサルタントが、設備投資を主軸とする「ものづくり補助金」の事業計画書作成に長けているとは限りません。
コンサルタントに問い合わせる際は、「全種類の補助金合計の実績」ではなく、「今回申請しようとしている〇〇補助金についての、過去1年間の実績」を聞き出してください。

次に重要なのが「直近の採択実績」です。
主要な補助金の公募要領(ルールブック)は、公募回ごとに頻繁に改訂されます。審査項目の加点ポイントが変わったり、必須要件が厳格化されたりすることは珍しくありません。
数年前の「通りやすかった時期」に実績を積み上げたものの、最新のトレンドや審査基準の変化に対応できていないコンサルタントも存在します。
「前回の公募回では何件申請して、何件採択されましたか?」と具体的に質問してみましょう。ここで明確な数字が返ってこない、あるいは数年前の実績ばかりアピールしてくる場合は注意が必要です。

また、「採択率の分母」も確認しましょう。
「採択率90%」と謳っていても、実は申請件数が数件しかない場合もあります。逆に、採択率が全国平均より多少高い程度であっても、数百件の申請を支援し、安定して結果を出している大手ファームの方が、ノウハウが蓄積されているケースもあります。
「貴社のこれまでの累計申請件数と、そのうちの採択件数を教えてください」と聞くことで、その数字の信憑性を確かめることができます。これらを総合して、チェックリストの1つ目と2つ目の項目として「対象補助金の実績」と「直近の成果」を必ずクリアにしてください。

業種別の対応経験

補助金の審査において最も重要な要素の一つが、「事業計画の実現可能性」と「説得力」です。これを審査員に伝えるためには、コンサルタントがあなたの会社の業界・業種について深く理解している必要があります。

例えば、建設業の会社が補助金を申請する場合、専門的な機械のスペックや、現場特有の工程管理、建設業界の人手不足の現状などを事業計画書に盛り込む必要があります。もし担当するコンサルタントが飲食業や小売業の経験しかなく、建設業の知識が皆無だった場合どうなるでしょうか。
ヒアリングの段階で「用語の意味」から説明しなければならず、膨大な時間がかかります。さらに、出来上がった事業計画書は、業界のプロから見れば「現場の実態を知らない素人が書いた作文」のような内容になりがちです。これでは審査員の心をつかむことはできず、採択は遠のきます。

逆に、同業種の支援実績が豊富なコンサルタントであれば、「御社の業界であれば、最近はこういったトレンドを取り入れた事業計画が高評価を得ています」「この機械を導入するなら、あの加点項目も狙えますね」といった、付加価値の高い提案が期待できます。これがプロの仕事です。

確認方法としては、「当社と同じ業種での採択事例はありますか?」と率直に尋ねることです。
守秘義務があるため企業名は出せないはずですが、「どのような事業計画で、どのような設備を導入し、どのような成果をアピールして採択されたか」という概要(事例)は教えてもらえるはずです。

特に、製造業における「高度な加工技術」や、IT業界における「システム開発の詳細」、など、専門知識が不可欠な分野では、この「業種別の対応経験」が合否を分ける決定打になります。これをチェックリストの3つ目の項目として重視してください。

サポート体制の確認ポイント

実績のあるコンサルタントを選んだとしても、実際のやり取りにおいてストレスを感じたり、肝心な時に連絡がつかなかったりしては、プロジェクトは成功しません。
補助金の申請から採択、そして実際の入金までは、短くても1年、長ければ数年にわたる長い付き合いになります。そのため、コンサルタントは単なる「代行業者」ではなく、共に走る「パートナー」としての相性が極めて重要です。
ここでは、契約後のトラブルを防ぎ、スムーズに申請を進めるためのサポート体制の確認ポイントを解説します。

対応スピードとコミュニケーション方法

補助金申請には、必ず「締切」があります。
特に締切直前の1〜2週間は、事業計画書の修正や必要書類の収集で、分刻みのスケジュールになることも珍しくありません。このような状況下で、コンサルタントからの返信が「2〜3日後」では、申請自体が間に合わなくなるリスクがあります。

まずは、「問い合わせへのレスポンス速度」を確認しましょう。
最初の問い合わせや見積もり依頼をした際、どれくらいの時間で返信がありましたか? 営業段階ですら返信が遅い業者は、契約後の実務段階になればさらに対応が遅くなる可能性が高いです。基本的には、即日〜翌営業日以内に的確なレスポンスがあるかどうかが一つの基準となります。

次に、「コミュニケーションツール」の確認です。
メールだけのやり取りでは、細かなニュアンスが伝わりづらく、タイムラグも発生します。Chatwork、Slack、LINE WORKS、あるいはZoomやGoogle MeetなどのWeb会議ツールに対応しているかを確認しましょう。自社が普段使っているツールに合わせてくれるコンサルタントであれば、社内の連携もスムーズになります。

さらに重要なのが、「誰が窓口になるか」という点です。
大きなコンサルティング会社の場合、契約までの窓口は「営業担当」で、実際の書類作成は別の「実務担当(または外部ライター)」が行うケースが多々あります。
この分業体制自体は悪くありませんが、問題なのは「伝言ゲーム」による質の低下です。営業担当に熱心に伝えた自社の強みや想いが、実務担当に全く伝わっていないというトラブルは後を絶ちません。
契約前に、実際に事業計画書を作成する担当者(コンサルタント本人)と直接話ができるか、あるいはWeb面談などで顔合わせができるかを確認してください。
「顔が見える関係」であることは、信頼関係の構築において不可欠です。面談時の雰囲気や話し方から、こちらの意図を汲み取る力があるか、熱意を持って取り組んでくれそうかを肌感覚でチェックすることをおすすめします。これらをチェックリストの4・5項目目として確認しましょう。

採択後のフォロー体制

多くの事業者が誤解していますが、補助金は「採択通知」が届いた時点で終わりではありません。むしろ、そこからが本当の苦労の始まりです。
採択後には「交付申請」という手続きを経て、正式な交付決定を受ける必要があります。その後、実際に設備を発注・納入・支払いを行い、それらを証拠書類としてまとめる「実績報告」を行って初めて、補助金が入金されます。さらにその後も、3〜5年間にわたって「事業化状況報告」を行う義務があります。

実は、「採択されたものの、その後の事務処理が煩雑すぎて途中で辞退した」というケースや、「書類の不備で補助金が減額された、あるいは支払われなかった」という悲劇が少なからず存在します。

したがって、コンサルタントを選ぶ際は、「採択後のサポート範囲」を厳密に確認する必要があります。
「うちは申請代行までです。採択後の手続きは御社でやってください」というスタンスの業者もいれば、交付申請から実績報告、年次報告までフルサポートしてくれる業者もいます。
もちろん、サポート範囲が広ければ費用も高くなる傾向にありますが、自社に事務処理に慣れた専任スタッフがいない限り、実績報告までサポートしてくれる業者を選ぶことを強く推奨します。

具体的には以下の点を確認してください。

  • 交付申請のサポート有無: 見積書や発注書の整合性チェックをしてくれるか。
  • 実績報告のサポート有無: 膨大な証拠書類(納品書、請求書、振込控、通帳の写し、写真など)の整理を手伝ってくれるか。
  • 別料金設定の確認: 採択後のサポートは成功報酬に含まれるのか、それとも別途月額費用やスポット費用が発生するのか。

また、万が一、会計検査院の実地検査が入ることになった場合、相談に乗ってくれるかどうかも聞いておくと安心です。
「採択」はあくまで通過点であり、ゴールは「事業の成功」と「確実な補助金の受給」です。最後まで責任を持って伴走してくれる体制があるか、これをチェックリストの6項目目として必ず確認してください。

契約条件の確認ポイント

コンサルタントの実力や人柄が良くても、契約内容が不明瞭だと後々金銭的なトラブルに発展する恐れがあります。
補助金コンサルティングの費用は、数十万円から場合によっては数百万円規模になります。口約束で済ませず、契約書を交わす前に条件面を詳細に詰め、納得した上で依頼することが自社を守ることに繋がります。

料金体系の透明性

補助金コンサルティングの料金体系は、大きく分けて「着手金+成功報酬型」と「完全成功報酬型」の2パターンが主流です。また、稀に「定額型(顧問契約など)」もあります。
どの体系が良い・悪いという単純な話ではありませんが、それぞれの内訳と発生タイミングを明確にしておくことが重要です。

まず、「成功報酬の定義」を確認してください。
一般的に成功報酬は「採択額の10%〜15%」程度が相場ですが、この「支払いのタイミング」が重要です。
「採択通知が来た時点」で請求が発生するのか、それとも「交付決定通知(事務局が内容を精査し、正式にGOサインを出した時点)」で発生するのか。
最も安全なのは、交付決定時、あるいは補助金入金時の支払いです。しかし、多くのコンサルタントは「採択通知時点」を請求タイミングとしています。この場合、万が一その後の手続きミスで補助金が貰えなかったとしても、コンサル報酬だけは支払わなければならないリスクがあります。このリスクを許容できるか、あるいは交渉可能かを確認しましょう。

次に、「追加費用の有無」です。
見積書に記載されている金額以外に、以下のような費用が発生する可能性があるか、事前に洗い出してください。

  • 修正費用: 計画書の修正回数に制限はあるか?制限を超えた場合は有料か?
  • 変更申請費用: 採択後に購入設備を変更する場合の手続き費用は?
  • 日当・交通費: 打ち合わせや現場確認で来社してもらう場合の実費は?
  • 事業化状況報告費用: 入金後、数年間にわたる毎年の報告代行費用は含まれているか?

「基本料金は安いが、オプションを足していくと結局高額になる」というケースも散見されます。トータルコストで比較検討するために、これらチェックリスト7項目目の透明性は非常に重要です。

契約解除条件と返金規定

ビジネスにおいて「万が一」を想定しておくことは必須です。
「依頼したが、どうしても担当者と合わない」「会社の事情が変わって申請を取りやめることになった」「不採択だった」といったケースでの取り決めを確認します。

まず、「不採択時の対応」です。
もし申請が不採択だった場合、支払った着手金はどうなるのか。全額返金されるのか、返金はないのか。
また、次の公募回での「再申請(リベンジ申請)」を無料でサポートしてくれるのか、追加料金がかかるのか。
着手金がある業者の場合、「不採択なら着手金半額返金」や「次回申請無料」といった保証をつけているところもあります。ここが曖昧だと、成果が出ないのにお金だけが出ていくことになります。

次に、「途中解約のペナルティ」です。
コンサルタントの対応が悪く、申請前に契約を解除したい場合、違約金は発生するでしょうか。
逆に、自社の都合(資金繰りの悪化や方針転換など)で申請をストップする場合、そこまでにかかった工数分を精算する必要があるのかなど、解約条件を契約書で確認してください。

最後に、「機密保持契約(NDA)」についてです。
事業計画書を作成するためには、自社の決算書、今後の事業戦略、顧客リスト、原価構造などの「企業秘密」をコンサルタントにすべて開示する必要があります。
これらが外部に漏れることは絶対にあってはなりません。契約書の中に守秘義務条項が含まれているか、あるいは別途NDAを締結してくれるかを必ず確認してください。これを拒むような業者は論外です。
これら「契約解除」「返金」「守秘義務」をチェックリスト8項目目としてしっかり確認しましょう。

避けるべきコンサルタントの特徴

最後に、これだけは避けるべき、という「危険なコンサルタント」の特徴を挙げます。
補助金市場が拡大するにつれ、残念ながら悪質な業者や、能力不足の業者が紛れ込んでいるのが現状です。大切なお金と時間を無駄にしないため、また企業のコンプライアンスを守るために、以下の特徴に当てはまる業者は候補から外すことを強くおすすめします。

100%採択を保証する業者

「絶対に採択させます」「100%通ります」と断言する業者がいたら、即座に警戒してください。
公的な補助金制度において、採択率100%ということは統計的にあり得ません。
補助金の審査は、外部有識者による審査員が事業計画書を点数化し、上位から予算の範囲内で採択される「相対評価」の仕組みです。ライバルの状況や、国の政策方針の微調整によって、どんなに素晴らしい計画でも不採択になる可能性はゼロにはならないのです。

それにも関わらず「100%」を謳う場合、以下の2つの可能性が高いです。

  1. 誇大広告・詐欺: 契約を取りたいがためだけの嘘。
  2. 不正への関与: 審査に通りやすくするために、決算書の数字を改ざんしたり、実態のない架空の事業計画を捏造したりする「不正受給」の手法を持っている。

もしコンサルタント主導で不正を行い、それが発覚した場合、補助金の返還はもちろん、企業名の公表、加算金(罰金)の支払い、最悪の場合は詐欺罪での刑事告発など、取り返しのつかないダメージを負うのは「申請した企業(あなた)」です。
「100%通る」という甘い言葉は、チェックリスト9項目目の「レッドフラグ(危険信号)」と捉えてください。誠実なコンサルタントであれば、「確率は高いですが、審査なので絶対はありません。しかし確度を高めるために全力を尽くします」と言うはずです。

着手金だけ取って放置するケース

いわゆる「着手金ビジネス」を行う業者にも注意が必要です。
相場より極端に安い着手金(例:3万円〜5万円など)を設定し、大量に契約を集め、質の低いテンプレートのような事業計画書を量産する手口です。

このタイプの業者の特徴は、「ヒアリングが極端に少ない」ことです。
本来、採択される事業計画書を作るには、社長の想い、会社の強み、市場環境などを深く聞き出す必要があり、ヒアリングには数時間を要します。
しかし、悪質な業者は「このシートを埋めて送ってください」と簡単なアンケート用紙を渡すだけで、電話や面談での深掘りをしません。そして送られてきた内容を、あらかじめ用意された雛形にコピペして「完成しました」と納品してきます。

当然、そのような計画書には独自性も具体性もなく、審査に通ることはまずありません。業者は「採択されたらラッキー、ダメでも着手金は貰ったからOK」と考え、最初から採択させる気概がないのです。
このような業者を見抜くポイント(チェックリスト10項目目)は以下の通りです。

  • 具体的な提案がない、質問への回答が曖昧。
  • 「今月中に契約しないと枠が埋まる」などと契約を執拗に急かす。
  • 自社の強みや課題について、深く聞いてこない。

「安物買いの銭失い」にならないよう、着手金の安さだけで選ばず、労力をかけてくれる姿勢があるかを見極めてください。

まとめ

補助金獲得は、あくまで企業の成長のための「手段」であり、目的ではありません。しかし、その手段を有効に活用するためには、制度を熟知し、自社の強みを最大限に言語化してくれるプロフェッショナルの存在が不可欠です。

今回ご紹介した「実績・専門性」「サポート体制」「契約条件」、そして「避けるべき特徴」の10項目をチェックリストとして活用し、ぜひ複数のコンサルタントと面談を行ってください。比較検討することで、自社の社風に合い、共に事業の成功を目指せる「最高のパートナー」が見つかるはずです。

このブログが、貴社の補助金申請と、その後の飛躍的な事業成長の一助となれば幸いです。

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