補助金コラム

補助金は後払い、ご存じでした?

補助金

購入代金を全額前払いする必要があります。

購入代金を全額前払いする必要があります


今回は基本的なお話から始まります。
補助金に採択されて機械設備を購入した場合、代金支払いの時期はいつになるでしょうか。結論からいいますと、消費税を含んだ全額をまずは購入業者に支払う必要があります。
例えば、購入代金の2/3の費用が補助対象となる補助金に採択されて、税別1500万円、税込1650万円の機械設備を購入した場合、消費税を含む1650万円の商品代金をまず購入業者に支払って、その後補助金の1000万円を手にする、という順序です。つまり、補助金は後払い、商品代金全額を先払いする必要がある、というわけです。
注意をしないといけないところは、税込1650万円の機械設備を購入した場合、補助金の補助率が2/3なので、自己負担分の1/3である税別500万円だけでなく、補助金部分の1000万円と税別1500万円の商品の消費税の全額150万円をいわば立て替え払いしなければなりません。
1650万円と500万円との差額である1150万円が手元にない場合は、銀行などの金融機関から調達する必要があり、それができない場合は補助金がもらえなくなります。このことは多くの方がご存知かと思いますが、その資金がないためにせっかく補助金に採択されたのに、機械設備購入を断念したケースが少なくないと聞き及んでいます。

補助金の流れ

補助金の流れ


上記の例でなぜ補助金は後払いとなり、補助事業者は立て替え払いをする必要があるのでしょうか。
仮に補助金が先に補助事業者に入ってくるとするとどのようなことがおこるかを考えることでこの問題は解決します。
補助金が入ってくるタイミングは、補助金に採択された段階、機械を発注した段階、機械が導入された段階とするとどうでしょうか。そうです、いずれの段階で補助金が入ってきたとしても大変な問題が発生するリスクがあることが想定されるでしょう。
補助金の財源は言うまでもなく税金です。税金を使う以上はやはり後払いにしなければならないことがおわかりになるかと思います。

この後払い以外にも、補助金には独特の流れがあります。

補助金の流れの概略は一般的に下記のとおりです。

  • ・国からの補助金の公募
  • ・補助金採択の申請提出
  • ・国からの採択通知
  • ・補助金交付の申請提出
  • ・国からの交付決定通知
  • ・補助対象の設備等の発注
  • ・補助対象の設備等の導入
  • ・補助対象の設備等の代金の全額の支払い
  • ・実績報告の提出
  • ・国からの補助金額の確定通知
  • ・補助金の請求
  • ・国からの補助金の入金


上記のようにかなり複雑になっています。

注意すべき点

注意すべき点


補助金は後払いのほかに、注意すべき点が2つあります。

一つ目は補助金の採択申請を行い、国から採択通知を受けても、まだ設備等の発注行為を行ってはいけないということです。補助金に採択されたのになぜと思われる方が多いかと思いますが、その次の交付申請を行い、交付決定を受けてからでないと発注を行うことができません。
これは特に注意すべき点です。

二つ目が、確定検査が終わるまでは、補助金額が確定しないという点です。
下記のとおり補助金申請はスリーステップで行われます。

  • ・採択申請
  • ・交付申請
  • ・実績報告


採択申請で補助金額が1000万円で申請を行っていたとしても、交付決定の段階で補助対象経費が精査され、減額されることはよくあります。採択申請の段階では、このようなものをこの金額で購入する、というざっくりとしたものだからです。
 さらに言えば、交付決定が決まったのちでも、実績報告を提出して、確定検査を受け補助金額の決定がするまでは、金額が減額される可能性があることを承知しておく必要はあるでしょう。
 補助金の減額の多くは、各補助金の公募要領を理解・把握・熟知していることで回避することができます。補助金申請には十分な準備が必要であるのはそのためともいえます。

事前着手承認制度という例外

事前着手承認制度という例外


今までの補助金の流れの例外として、事前着手承認いう制度があります。事業再構築補助金がある意味非常に重宝された理由です。また、ものづくり補助金も少しの間適用されている時期がありました。

しかし、ものづくり補助金では現状適用はなく、事業再構築補助金でも10次公募からは大きく縮小されました。

事前着手承認制度を事業再構築補助金の10次公募の公募要領から引用することにより説明します。

交付決定前に補助事業を開始された場合は、原則として補助金の交付対象とはなりません。
ただし、最低賃金枠、物価高騰対策・回復再生応援枠に申請する事業者については、早期の事業再構築を図っていただくために必要となる経費について、補助金の交付決定前であっても事務局から事前着手届出が受理された場合は、令和4年12月2日以降に購入契約(発注)等を行った事業に要する経費も補助対象経費とすることができます。
交付決定前に事前着手届出がされた場合であっても、補助金交付候補者としての採択を約束するものではありません。また、令和4年12月1日以前に行われた購入契約(発注)等については、補助対象経費として認められませんので、ご注意ください。
・届出の内容に変更がある場合は、再度届出をしていただく必要があります。

従来まではすべての枠で認められていたのですが、10次公募より上記のとおり、事業再構築補助金としては補助額が小規模な「最低賃金枠」「物価高騰対策・回復再生応援枠」のみの対象と制度が大幅に縮小されました。

また、事前着手承認が認められるのと補助金申請が採択されるのとは、全くの別の問題です。事前着手承認は大半が認められますが、補助金の採択は50%前後です。そのため、事前着手承認制度を利用するのは、補助金が採択されなくても必ず行う投資とする必要があるでしょう。

以上、今回は補助金が後払いであることから、補助金の流れとその特徴をご説明しました。

PRIMO CONSULTINGはこれまで蓄積してきたDXノウハウを駆使して、皆さまのビジネスモデルの構築から補助金申請支援、更には収益獲得のためのDX活用まで一括してご支援をしていく全国でも稀な企業体です!

カテゴリから探す